2012年01月17日

ハローバイト

 新年おめでとうございます。

 今年は、多く更新できるようにがんばりたいと思います。

 現在、訳あって、自宅をDIYで作っているのですが、
その助っ人に、私の所に6年通ってくれ、現在20歳のS君に
お願いしました。ガンプラ作りと酒が好きなので、小遣い
が底をついてしまって、との話を聞いていたので、お願い
すると、二つ返事でOKしてくれました。

 手先の器用さで、ガンプラを精巧に作り、リアルに塗装
するという話をよく聞いていたので、自宅1階床の杉板の研磨
と蜜蝋ワックスによる塗装をお願いしました。

 彼にとって、時給800円の初バイトです。昼夜逆転がなかなか
なおらない中、1時間ほどの睡眠で、駆けつけてくれました。

 杉板研磨は、私以上の精巧さで、とてもありがたかったです。
塗装後、その板を眺め、「何か、今一つ…」と思案顔で、事後策
を練っていました。研究熱心さは、今後につながりそうです。
 
 バイト代を渡したとき、何に使いたい?と聞くと、
「実は、もう使っていて。使ったら、働く気も起るかなと思って」
とのこと。
 そう言えば、自分もそんなことを高校時代にしていたことを
思い出しました。借金を返すために働く方が、馬力が出るようです。

 また、お願いしようと思います。ありがとう。
posted by ToT at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 特性に応じた支援

2011年12月06日

12/4 PDDNET年次大会in 東京

 発達障がいネットの年次大会が成蹊大学で行われ、参加してきました。
http://jddnet.jp/index.files/archives2011/pdf/20111122_jddprogram_3rd.pdf#search='JDDNET'
 
 JDDNETには、3回目の参加ですが、今回は参加の目的がはっきりして
いて、収穫の多い内容でした。中でも、東大先端研の中邑先生の講義は、
スローハローワークのコンセプトを代弁してくれたかのような内容でした
ので、血が熱くたぎりました(笑)。そのまま、載せたいと思います。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/people/staff-nakamura_kenryu.html

 中邑先生は、東大先端研で、障碍者のバリアフリーについて研究されて
いるそうです。特に‘DO-IT JAPAN’という活動で、発達障がいを持つ学生
さんへの支援を主にされているとのことでした。
http://doit-japan.org/index.html

 講義の内容は切り口鋭く、現代社会、文科省が抱える問題をズバズバ指摘
され、聞いていて、とてもすかっとしました。


「社会の速度が速くなって、みんなが脱落していく」

「昔は、読み書きできなくても、職人という道があった」
「仕事自体がなくなっている」
「第一次産業は5%、第二次産業は20%、第三次産業が75%。様々な場面での
レベルの高いコミュニケーション能力が必要になる第三次産業がこの割合。
これでいいんでしょうか?」

「鎖国しませんか?」(外国から物が入って来なくなり、自国で自給しないと
いけなくなり、やるべき仕事が増えるという意味で)

「いまだに個人ばかり見た、社会の在り方そのものに目が向いていない」
(現在の障碍者支援のシステムが個人のボトムアップを目指すだけで、社会
構造自体は、ユニバーサルなデザインになっていないという意味で)

「インクルージョン教育。アフリカのサバンナでに裸で入れると同じこと」
(皆、同じ条件で、同じ教室の中でやろうとしていることへの批判の意味)
「武装しなければいけない。クラウドコンピューティングの時代で、ipad,
携帯ワープロなど、それを利用すれば、同等の力を発揮できる子がいる」

「子供たちに与えられた時間は限界がある。学習に遅れ、自信を失う子供
たち。ひきこもり、非行などの問題と切り離しては考えられない」
「できない部分を埋めることは大切だが、それよりできる部分を伸ばすこと
がもっと大切になる」

「法定雇用の問題。一人の人が30時間働く場合と30人の人が一時間ずつ働く
場合。短時間でも仕事をしたい、働ける場を作る時代にしていきたい」
「東京大学でもやっています。1日働いたら、1日休みたい人もいる」
(障がい者の方を短時間のパートで仕事をしてもらっている事例を紹介)

「周囲が配慮しすぎて、子供が大切な経験をする機会を失いつつある」
「ネット社会、社会的速度の上昇、構造化しすぎた社会…コミュニケーション
が失われてしまっている」

「この子らを世の光に、と言った糸賀一雄さんはすごいと思う。けれども
今は、‘この子らが世に光を’の時代になってほしいと思う。彼らと一緒
に社会の壁をぶち壊していきたい」


と一部聞き違いもあると思いますが、このような熱い講義でした。


 この講義にインスパイアされ、スローハローワークの定義を再度…

1)スローな仕事を探します
2)人間が動かないと、成り立たない仕事を探します
3)高度なコミュニケーションは必要ありません。ただ、力を合わせること
  は必要です
4)その子の“できる”を伸ばします。伸ばす部分を探します
5)短時間でもいい。社会参加の在り方は、様々でいいと考えます
6)人間の持つ好奇心を大切にして、自然の中で、自分の体を使った体験を
  重視します
7)スローワークを通じて、子どもたちのできる、を発見し、みんなが生き
  やすい社会を作っていきたいと思います

 

posted by ToT at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | PDD者支援の現状

2011年11月04日

支援者側の見通し

 私の妻も同じ心理職で、現在は、病休から復帰を図る
公務員さんに対する、リワーク支援をしています。
 同じ、支援の仕事をする者として、いつも勉強になるの
が、支援対象者さんの将来像を的確に見定め、そのために
現在、どのような関わりが必要かを、ぶれずに、対象者さん
と一緒に考えることのできる姿勢です。また“胆力”がある
ため、自分がこうだと見積もった支援策を、周囲に粘り強く
伝えていく姿勢も私にはない部分です。

 支援者はどうしても、若干目標を上げて、適応させるため
に頑張らせたり、難しいケースと決め込んで、あえて安全運転
しかさせない場合もあったりするのですが、対象者さんの資質
と、現在の状況を見通して、無理なく、保護もしすぎない復帰
ルート作りを日々模索しているようです。
 
 このような絶妙なバックキャスティング的視点は、スローハロー
ワークの仕事にも生かせてもらえそうです。

2011年11月03日

スローハローワークが目指すもの

 スローハローワーク(以下SHW)は、現在社会参加がままならない
発達障がいを持つ18〜30歳位までの方を、スローワークの場(農業・
林業・畜産・建築・手仕事など)に連れていき、社会参加の練習をして
もらう部門が主になると思いますが、中学生の職場体験に似た部門
つまり「13歳からの…」部門を作りたいと考えています。

 学習と社会適応が主な目標に置かれる学校生活の中で、生き生き
できない子たちに、のびのびとした環境の中で、ある職業的な体験を
してもらおうと考えているのです。
 田畑を耕したり、間伐を行なったり、小屋を作ったり、鶏や豚の飼育
に携わったり、スローフード作りを学んだり、非電化な生活を体験したり
などです。都会的な生活では味わえない、また効率的な生産を目的と
しない体験の中で、様々な価値観を持つ大人が社会に居て、世の中を
支えていることを知ってもらうことと、自分たちの好きを追求し拡げて
いってOKなのだということを感じてほしいと思っています。

 よくある自然体験、物づくり体験ではなく、その子の好きな感覚刺激
や、得意と思われる認知処理を見定めていき、本人達にフィードバック
して、自信を深めてもらえればと思っています。その中で、自分たちの
社会参加のイメージを持ってもらうことが目標になるかなと思います。
 国の施策として、最低、中学生から、将来の社会参加を考える時間を
増やすようになればいいと願うこの頃です。

2011年11月02日

職場体験

 中学生は2年生の2学期9月から10月にかけて、職場体験を行ない
ます。
 たくさんのお仕事の現場を先生方が開拓され、子供たちも自分
たちでアポを取り、体験を開始していきます。(先生たちのご苦労
が目に浮かびます)
 職場の雰囲気を味わい、働く人たちの姿を間近で見ながら、自分
の将来像を膨らませる一助に、とてもなっているよい企画と思います。

 あるASDの子は持ち前の継次処理(目や耳で得た情報を順番通り
に再生したり、順序性・パターン性のある情報を扱う処理)のよさで、
図書館の司書の仕事をしっかり果たせたと、お母様より報告を受け
ました。
 別の子は、触覚過敏がある中、以前から興味を持っていた美容室
の仕事体験をやり遂げたとのこと。
 
 本人たちの興味関心の中から、先生とお母さんがうまくマッチング
させ、本人たちにも成功体験として残った好例だと思いました。
 やはり、受け入れ先と、送る側の密な連携がとても大切だと改めて
認識しました。

2011年11月01日

進路検討の時期

 ケースとしては、担当してはいませんでしたが、検査を2回
担当した縁を辿られ、ある発達障がいをもつ子のお母さんから
電話で相談をいただきました。

 その子は、AD/HD+軽度MRと診断され、IQは60強、小学校で
多動が目立っていましたが、薬物療法のみでフォローされて
いた方です。積極的に人に話しかけ、社会的な儀礼も心得た
いい子です。来春、高校を卒業されるので、進路選択の時期
が迫ってこられたようです。
 お母さんの相談内容は、学校の先生から知的障がいの福祉
作業所の方を勧められたけれども、それにあまり納得がいか
ないとのことでした。
 本人も今すぐの就労は無理とのことで、トレーニングをまず
手始めにしておきたい、との希望はあるとのことでした。

 確かに知的には低く出ているのですが、保護的にかかわる
よりも、様々な領域にチャレンジさせて、多くの仕事体験を
持ってもらい、方向性を自分で選ばせる方がよい方、という
印象でしたので、多様な選択肢を挙げ、ジョブコーチの派遣
もお願いできる就労支援センターでの相談をまずと、ご提案
しました。(その後、担当者の方にお願いの電話をしました)
 
 学校の先生も、発達障がいのお子さんをどう社会参加させ
るか悩まれているのだろうと思います。学校の先生方を含め
た、就労支援の勉強会を早く立ち上げなければ、との思いを
強くしました。
posted by ToT at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | PDD者支援の現状

2011年10月31日

社会保険

 暖かい日です。先日のお話。

 この春から、トライアル雇用+手帳就労をしたA君から、
初めて社会保険証を見せてもらいました。
 中1の初診時は、生活保護受給証での通院でした。
そこから、高卒後に国民健康保険に変わり、そして、自分
の力で、社会保険までたどり着かれました。

 先日、生保受給家庭の子の自立的な社会参加の難しさ
について触れましたが、A君のケースは稀なケースでしょう
か??
 いえ、そう思いたくありません。周囲の大人があきらめ
ず、本人の行く先に光を当てていけば、雇用される可能性
は消えないと思うのです。
 地域に根差して、子供たちを見守り、本人たちが困った
時にそっと手を差し伸べる大人が増えていったなら、A君
のような子が増えるのに、と思うこの頃です。
posted by ToT at 18:43| Comment(0) | TrackBack(0) | PDD者支援の現状

2011年10月30日

長崎大会にて

 雨の長崎で、感覚統合学会が行われ、参加してきました。
 
1)浜松医大の鈴木先生のお話は『自閉症脳科学の最前線』で、
自閉症の発症リスクと脂質との関連を話されていて、「脂肪酸
補充療法」なるものがあると初めて知りました。

http://jstshingi.jp/abst/p/09/925/tokai-i8.pdf#search

2)京都大学の加藤先生のお話は『特別支援教育に感覚統合の
視点を生かす』というお話の中で、感覚統合の新しい検査の
JPANの下位検査である「かっこよくまねしよう」(身体模倣)が
定型の子とASDの子の差が最も大きいとのお話を教えてもらい
ました。

http://www.p-supply.co.jp/pnews/PNvol141.PDF/141_10_11.
pdf#search='JPAN

 よく耳にするミラーニューロン細胞の問題があり、表情の
知覚ができにくく、他者への共感的コミュニケーションの困難
の一要因と考えられるとのことでした。

http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0702/sp-autism.
html

3)かわばた眼科の川端先生は『発達障がいを持つ子どもたちの
視覚過敏と見る機能について』では、視覚過敏の子が文章読解を
行なう際、@カラーフィルターを置く、A黒白の文字を反転させ、
白色の文字を読ませる、などの具体的対処が勉強になりました。

http://www.kawabataganka.com/

 現在、外来に来る子の見る機能について、それを高めるための
簡単なトレーニングも行なっているので、とても勉強になりまし
た。

 また、自閉症の子の視線の合わなさも議論になりましたが、
先生は「情緒的なものだろう。自閉の子は、何かの理由があって
見ようとしないのだろう」とその子たちなりの防衛反応であると
解説され、私自身は納得しました。
「安心した関係でないと、視線が合わない」とも話されていて、
耳慣れない医学用語が並んだ講義の中で、少しほっとする意見を
聞けた感じでした。
 
posted by ToT at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 感覚統合

2011年10月29日

生活保護受給家庭

 精神科に勤めていると、生活保護受給家庭の方が多く来られます。
そのご家庭のお子さんが、不登校だったり、学力不振だったりで、
「発達障がいではないか?」とケースワーカーさんに見られ、特別
児童扶養手当受給もからみ、検査を行なうことになります。

 この前も、13歳の中一の男の子のWISC。言語性の能力が高い割に
動作性課題の評価点が伸びず、Dr.の見立ては「学習障害」…。
 聴覚的情報処理の良さから、継次処理優位の認知様式による学習
支援を行なえば、各教科も伸びるかも、との所見を書きましたが、
それが今後に生かされることはどうかは微妙です…

 おそらく、家庭の雰囲気として、将来像が見えにくく、基礎的な
学力があっても、そこからの積み重ねがなかなかできにくい現状が
あるのかなと思います。
 その中で、生活保護受給家庭の子への学習支援の記事。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111024k0000e010064000c.html

 スクールカウンセラーさんなり、スクールソーシャルワーカーさん
なりが各学校で、目を光らせ、支援ルートに乗せないことには、同じ
轍を踏みかねません。
 学習だけではなく、本人の“やりたい”を膨らませる支援を大人側
が準備し、本人たちに提示していきたいものです。
posted by ToT at 20:25| Comment(0) | TrackBack(0) | PDD者支援の現状

2011年10月26日

感覚過敏のある子

 いつか以来の更新です。

 発達障がいの方とお会いしていると、「感覚過敏のある・ない」で、
将来の予後予測ができる・できないが、とても大きいと感じています。

 17歳の特別支援学校高等部2年生。手先の器用さがあり、複雑なパズル
もあっという間に完成させることができます。ただ、聴覚過敏と触覚過敏
があるため、特別支援学校という小学部・中等部といった“音にあふれた”
環境になじめないため、他の子が下校した後に、PC操作の練習などされて
います。

 14歳の特別支援学級の中二の子。デザインセンスが抜群で、ネイルの
勉強も頑張っています。ただ、この子も聴覚過敏と触覚過敏があるため、
交流学級では疲れ果て、生徒同士の雑談が聞き流せず、情報過多になり
帰宅時にはへとへとに疲れてしまいます。

 余程の環境調整を行なわないと、音に圧倒されて、やりたい学習ができ
ず、行事参加も綱渡り状態です。当然、社会的な体験も制限され、自分が
何をしたいのか、何であれば、力を発揮したいと思えるかが明確になり
にくくなります。


 発達障がいと診断されていても、聴覚や触覚の過敏性がない子は、職場
体験もこなし、自分の将来像を少しずつ構築できている印象です。
 
 学年が上がってからではなく、小学校の頃から、感覚調節障がいを見出
して、少しでも過敏性を和らげる手だてはないものか、と今日も考えまし
た。感覚過敏のある子の持つギフティッドな部分を生かすやり方を今後も
模索していきたいと思いますが、壁にぶち当たっています…
posted by ToT at 19:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 特性に応じた支援